zencro’s diary

乱歩奇譚SSと雑記

朝食


夢から醒めきっていないのか寝足りないのか。
なんだか、ふわふわとした心持ちだなあ……
そう思いながら、いつものように台所に立った。
そうだ冷凍庫にシャケの切り身残ってたな、そのまま焼いちゃえーとグリルに投入。
茄子とネギと油揚げで味噌汁にしよう。
茄子たくさん買っちゃったなー夜は茄子の素揚げに大根おろしにしよう、あーカレーのトッピングでもいいかなあ。カガミが好きだって言ってたしー。
そういえばカガミっておれと同じ巳年なんだよねー。
ひとまわり違うのかあーおれが小6んとき生まれたのかあ、ひえーっ。
て、ぽやぽや考えていたらさ。
……え、ちょっと待って。
おれ15の時あいつ3歳だよ!?
えええー!
おれ、そんな年下の奴と何やってんの!?
……昨夜のおのれの痴態が、まざまざとよみがえる。
うわ……うわあああーーーー!!
おれがハタチのとき8歳だった奴におれ何してんの!?何されちゃってんの!!??
アウトだろ!?これ絶対アウトじゃん!
だってさ、性にめざめまくっちゃってた頃あいつまだ、ようちえんだよ!?
……犯罪じゃん?
頭の中がまっしろになった。……ホントに白くなるんだねえ、思考能力ゼロだわ。

「ナカムラさん、おはようございます」
ビクーーーーーッ!!!!
当の本人が起きてきやがった。おいやめろこんな時に背後から腕を回して頭すりよせてくんな!!!
「ところで、なんかコゲ臭いにおいがするんですが」
あーーーーーー!!!!
あわててグリルをガシャッと引っ張り出す。
「あああああ」
勿体ねー。シャケものの見事にまっくろこげ。
至近距離で2人で顔見合わせる。
「ホラ、朝ごはんの支度してんだからさー、どいてどいて」
一瞬うらめしそうな顔したけどすぐ離れるカガミ。こいつ、ききわけは良いんだよな。

さて、朝の食卓。
ちゃぶ台に茄子の味噌汁と炊き立てごはん、海苔と……黒こげのシャケ。
「ナカムラさん、これ……」
おれはムッとして言い放つ。
「カガミのせいだからな。」
「え、おれの?」
「……んもー、いいからちゃっちゃと食べる!しごと遅れるだろ!」
しばし無言で、食器の触れ合う音だけが空間に響く。
「ナカムラさん」
「……のこさず食べろよ」
「はい。シャケ、焦げてますけどおいしいです。」
思わず正面を見る。
「そ、そう?」とおれも頬張る。
あ、あれ?
「う……まい?」
「はい、ナカムラさんと食べるごはんは、いつも本当においしいです。」
一気にカーッと頭へ血がのぼる。耳の裏まで熱くなってるのが自分でもわかる。
「……おれだって、美味いよ。」

……あーあ、12も年下なのになあ。

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