zencro’s diary

乱歩奇譚SS

ハッピーバレンタイン


「バレンタインデーかあ~今どきの女の子たちはハンドメイドの作って贈るらしいけど、甘いもの系は作る最中に部屋じゅう充満する甘ったるい匂いだけでもうお腹いっぱいになるよね...私も甘いものは嫌いじゃないけど、自分で作ろうとすると匂いだけで沢山って気になっちゃうんだよねー。カガミくんちではどうなの、トキコさんとか彼氏やカガミくんに作ってくれたりすんの?」
「もう家じゅう凄い匂いですよ、よっぽど香料が強いんでしょうね…チョコレート溶かしたりオーブンで焼いたりしてる時間はなるべく非番の時も家に居ないようにしていますね。それでも力のいる仕事には容赦なく駆り出されるので、その間は頭がくらくらするほど辛いです」
「あはぁ、やっぱねえ~そうだね料理って割と力使う作業多いからね。でもちゃんと手伝ってるなんて、偉い偉い。いいお婿さんになれるよカガミくん。」
「ああ、そうだトキコから預かってきました、はい、これナカムラさんの分です。」
「おやぁ嬉しいねえ!わたしの分もあるの!…おおヒンヤリしてる~開けてみてもいいかな?」
「どうぞ、実はそれ私も作るの手伝ってるんですよ。」
「兄妹の共同制作かあ!...??これってもしかして…警察手帳チョコ!?うっわ良くできてるねぇ、文字の金色の箔まで…これもしかして開くの?あっ開くわ!ふんふん「カガミケイスケ」...ってちょっと待ってこれ入ってるのカガミくんのヤツのコピー!?おいぃぃぃこりゃマズイっしょカガミくん!!」
「ああ、トキコがリアルさを追求したいからどうしてもって言うので私のを貸したんですが...やっぱりだめでしたでしょうか…スミマセン...」
「ん~ああー、まあ私が見なかったことにしてコピーだけ処分しとけばいいか… まあでもこりゃ芸術品、匠の技だね、うん!食べるのもったいないなあ、でも溶けちゃったらもっと勿体ないから写メとってから食べよっか。カガミくんホラホラ、ちょっとそのチョコ持って!「警察だ!」ってポーズとって!」 ╲カシャッ╱
「じゃあ、トキコさんにこないだ教わったアドレスに添付してお礼送っとくね~ほい、送信...っと」
「え ナカムラさん、いま私のコピー挟んだまま写メ撮りましたよね...そのまま送信しちゃったんですか?」
「あ”」
「破棄するように連絡します!!!...あ、遅かったようです…”よく撮れてるから友達に拡散しちゃった♡”っていまメールが来ました…」

「「どっ...どうしよう…」」

ふたりの刑事生命や、如何に。