zencro’s diary

乱歩奇譚SSと雑記


この地に来て数週間が過ぎた。
折角ここに逃げ込んだというのに、夜毎夢にうなされる。俺が奴より前に二十面相になってりゃ、スナガ達を始末しておけばあいつはあんな事にならずに済んだのに。生き残るべきは俺でなくあいつである筈なのに。そう言いながら夜毎の夢の中、もう一人の俺が俺の首を絞めにやって来る。違う、俺はそんなお前を封印しにここに逃げ込んだはずなのに。あいつもそう望んでいた筈なのに。「なんでお前はこんな所に居るんだ、なんでお前は生きているんだ」ぎりぎりと渾身の力を込めて俺は俺の首を絞める。夢の中で俺が笑いながら俺の首を締めている。

このまま、絞め殺してくれればいいのに。目が覚めなければいいのに。