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zencro’s diary

乱歩奇譚SS

ホットケーキ 続

「アケチ先輩は、どうしてカガミさんを連絡係に指名したんですか?」 「なんだ今さら」 「カガミさんて立派な刑事さんだし先輩が白羽の矢を立てるの分かりますけど」 「ふん」 「でも、ナカムラさんもいましたよね。カガミさんに決定した理由って何でしょう…

針路5

逃げ込んだKOBANの警察官はぼくを守ってくれた。連中はここまで僕を追ってきたのだけど、そして自分達こそがぼくの保護者であると主張したらしいのだけど、警官は気を喪ったぼくをそのまま連中に引き渡そうとはしなかった。助かった。警察も、まだ捨て…

針路4

今日も、と言っても日にちの感覚が無くなってしまったけれど、ご飯が待ちどおしい。 ここの床は冷たくて硬いけど、何度か取りかえられる良いにおいの敷物がふんわり柔らかで気持ちいい。拘束も肌にくい込むことはなく、たまに向きを変えてはめ直してくれるの…

針路3

ねぇ、何がいけなかったんだろうねハシバ君。座席に座って、サービスされたオレンジジュースを飲んだところまでは憶えてるんだ。 そしたら、次に気付いたのはこんなコンクリートむき出しの冷たい床の上でさ。 飲んだ時、ちょっと苦いなあと感じたんだ。でも…

針路2

「えい」僕にしては律儀に、自分もくるくる回って地球儀を指差した。この地球儀には陸地が高地低地とそれなりにリアルに隆起した処理を施されている。指先に凸面の感触があって、(やったぁ陸地だ!)とわかりゆっくり目をあけた。「インドかー、ええと、ベナ……

針路1

「ナカムラさん、刑事の仕事っておもしろいですか?」「へ?」いきなり顔の右横から問われて素っ頓狂な声が出た。「ああなんだぁコバヤシ君かあ。なに急にどしたの?」「学校で進路について考えて来いって言われてるんですよー。ぼく別に高校行きたいって思…